今回はボストンコンサルティンググループ(BCG) 内田和成氏著「仮説思考」という本を取り上げます。
仮説思考とは、現時点の情報で最も答えに近いと思われる答えを仮に置く思考のことです。
これは、決まった答えがあるわけではない仕事の場面で有効な思考法です。
学校のテストの問題であれば、既に決まった答えがあるので、必要な情報を揃えれば、正解が導き出せます。
しかし、この発想で仕事に向かっても時間ばかりを使って成果が出ないことが多いです。
仕事で成果を出したい! ・・・でも現実が複雑過ぎて何をしていいのかわからない。
そんな方に「仮説思考」はおすすめの思考法です。
少しずつ、しかし確実に答えに近づいていくアプローチです。
そんな「仮説思考」を実際に使うときのポイントを2点要約しました。
①仮説思考は、一旦今ある情報だけで仮説を出す
僕は、仮説を立てようとするときにより多くの情報から立てようとします。
「これからあの数字を導出できないかな…」のように、手間をかけがちです。
これはいいことのように思っていましたが、時間がかかるという点でマイナスです。
仮説は早く外に出して多くの観点からの意見や質問をもらうことで進化させていったほうが、スピードも質も上がりやすいのです。
ひと手間もかけずに、現在ある情報だけで一旦仮説を出すクセをつけてみます。
いろんな人に仮説を提示すると、指摘をもらいすぎて心が痛むこともあると思います。
しかし、その気持ちよりも、仮説が進化したという実質に重きを置くマインドが重要なのだと思います。
②仮説思考では、検証は「最小限」の情報で、「必ず」行う
仮説検証もつい精緻にやりたい欲求が湧いてきますが、
本当にその必要があるのかと問うとNOだと思います。
「クイック&ダーティー」、つまりデータとして粗くても素早く行うことを重視する精神が必要です。
仮説→検証を高速回転させることが大切なのです。データ抽出の時のことを考え、ここで欲しいアウトプットは何なのか、一回止まって考えるのです。
また、最小限の情報で検証することと、検証を軽視することは全く違います。
仮説で判断すると業務がぐっと減るので、つい仮説の真偽を確かめずに業務を進めてしまうことがあります。
しかしそれでは現実とかけ離れてしまう恐れがあります。
必ず検証を忘れずに行うことで、仮説が現実にそうなのかどうかを確認し、仮説を進化させていく必要があるのです。
検証をおろそかにすると、それまでに使った時間が無駄になります。
必ず検証して、仮説が真だったのか偽だったのか確認しましょう。
以上、2点、仮説構築も仮説検証も「最小限の情報」で素早く行うことを推奨しています。2倍時間をかけたからと言って、2倍仮説の精度が高まるわけではありません。
今あるものでなるべく予想していくのです。
そしてその精度を高めることで成功率を高めるのです。
自分の業務においても情報は少ないが決断しないといけないことは多々あります。
そんなときにこの「仮説思考」の発想があるとスピーディに決断でき、その精度も回を追うごとに上がっている感覚があります。
ロジカルシンキングから一歩実践的な方法論が載っているので、本文も是非読んでみてください。
あなたも「仮説思考」でスピーディに精度をあげて成果を出せる人材になってみませんか。
仮説思考と合わせて読みたい
仮説思考に続く内田氏の著作です。